東洋医学での診断では「四診法」が使われます。
「四診法」とは
望診(神技)・・・視覚
聞診(聖技)・・・聴覚、味覚、嗅覚
問診(工技)・・・問いかけ
切診(巧技)・・・触覚
治療までの流れで大事なのは問診・脈診・舌診・触診です。
患者様の中には主訴がハッキリとしている方もみえれば、なにが原因か自覚がない方もいらっしゃいます。
東洋医学では「八鋼病証」を使っていきます。八鋼弁証とは病の性質や浅深を弁別する弁証法です。
・八鋼の統括
陰証:裏証、寒証、虚証
顔面蒼白、気分沈うつ、言葉が少ない、冷えなど。
陽証:表証、熱証、実証
顔面紅潮、活気がある、言葉が多い、充血など。
・病位(病位の浅深)
表証:病の部位が浅く、多くは外感病の初期に現れる。
悪寒発熱、頭痛、腰背痛、四肢関節痛など。
裏証:病の部位が深く、多くは発病後一定の経過を経て現れる。
悪熱、口渇、腹部膨満、便秘、下痢など。
半表半裏証:表と裏の中間に病がある。
往来寒熱、胸脇苦満、口苦
・病情(疾病の性質)
寒証:自覚的に冷えを感じ、他覚的に冷たく感じるもの。
悪寒、手足の冷え、顔面蒼白、小便清長、大便下痢など。
熱証:自覚的に熱感があり、他覚的に熱く感じるもの。
発熱、口渇、顔面紅潮、小便短紅、大便秘結など。
・病勢(正邪の盛衰)
虚証:主に正気の不足。疾病の後期や慢性病証などでみられる。
呼吸・語勢が弱い、自汗、小便頻数、大便下痢
実証:外感病の初期~中期、痰・食・水・血などの停滞でみられる。
呼吸・語勢が強い、無汗、小便回数少、大便便秘、筋肉に弾力性があるなど。
皆さんは病位・病情・病勢をみて「陰証」「陽証」どちらに当てはまりましたでしょうか?
お身体のバランスが正常な方はどちらにも当てはまらなかったり、気になる点はあまりないと思います。
「気」「血」「水」のバランスが崩れ、不調がある方は顕著に症状がでてくると思うので、どちらかに当てはまってきます。
東洋医学ではこのように「四診法」や「八鋼弁証」などを用いて証立てし、治療法や治療穴を選択していきます。
なおかつ病証に合わせて鍼の刺入深度や方法、刺入時間など決めております。
患者様によって与える刺激量も異なっていくので、問診等は治療にあたる過程でとても重要となります。
恥ずかしがらず、些細なことでもかまいませんので鍼灸師にご相談ください。
女性ならではのお悩み等もあると思いますが、女性鍼灸師も在中しておりますのでご安心くださいね。